暑い日が続きますね。
この時期になると、毎年きまって頭をよぎることがあります。
「減塩をしているけれど、こんなに暑い夏に、塩分を控えていて大丈夫?」
テレビでもスーパーでも、
「熱中症対策に塩分補給を!」という言葉をよく見かけます。
塩あめ、塩タブレット、経口補水液。
減塩生活をしていると、どうすべきか迷いが生じてしまいます。
少し前に、日本高血圧学会から 「減塩しながら酷暑を乗り切る!!熱中症を防ぐ6か条」
という情報が出されていました。
とても参考になると思い、
今回はこちらを参考にしながら、夏の過ごし方をまとめてみます。

結論。日常的に塩分を増やす必要はありません

いちばん知りたいところから、お伝えしますね。
日本高血圧学会によると、
3食きちんと食べている方は、必要な塩分をすでに摂れているとのことです。
そのため、熱中症を予防する目的で、
ふだんの塩分をわざわざ増やす必要はない、とされています。
目標とする量も、夏だからといって変わりません。
- 高血圧のある方 1日6g未満
- 一般の方 男性7.5g未満、女性6.5g未満
つまり、夏でも減塩は続けて大丈夫なのですね。
では、あの「塩分補給を!」という言葉は何なのでしょうか。
そこを理解するために、次の話がとても大切になります。
熱中症には、2つのタイプがあります
熱中症は、起こる状況によって2つに分けられ、
タイプによって、水分と塩分のとり方が変わります。
① 日常生活で起こる熱中症

家の中などで、高齢の方や持病のある方に多く起こるタイプです。
年齢や病気によって、汗をかきにくくなったり、
のどの渇きを感じにくくなったりすることで、
気づかないうちに脱水が進んでしまいます。
このタイプへの対策は、
3食きちんと食べていれば、塩あめなどの特別な塩分補給は必要ありません。
大切なのは、のどが渇いていなくても、 時間を決めて水や麦茶をこまめに飲むこと。
そして、寝ている間の熱中症を防ぐために、
寝室の空調と、寝る前のコップ一杯の水分を心がけることです。
② 激しい運動や仕事で起こる熱中症

炎天下での屋外作業やスポーツ中に、若い方にも起こるタイプです。
大量の汗をかくことで、水分と一緒に塩分も急激に失われます。
このタイプでは、 水分と一緒に塩分を補うことが必要になります。
たくさん汗をかいたとき、またはこれからかくとわかっているときが対象です。

塩分が必要な場面は?

「熱中症対策に塩分を」という言葉は、②の場面に向けたものでした。
いっぽうで、家事や在宅の仕事、テレビを見る時間といった日常は①にあたります。
ここでは、水分補給が基本。塩分を足す必要はありません。
日常は水分だけ。大量に汗をかいたときだけ、一時的に塩分も。
この線引きを持っておくと、ずいぶん気持ちがラクになります。
スポーツドリンクと経口補水液の塩分量

②の場面で活躍するのが、スポーツドリンクや経口補水液です。
含まれている塩分は、500mLあたり
- スポーツドリンク 食塩約0.5g
- 経口補水液 食塩約1.5g
経口補水液は、水分と塩分のバランスを医療用に調整した飲みものです。
だからこそ、これらは 「たくさん汗をかいたときの、一時的な補給」として飲むものとされています。
暑いから、なんとなく体によさそうだから、
と毎日の水分補給に使うものではない、ということです。

塩分以外にできること
日本高血圧学会の6か条には、食事以外の対策も挙げられています。
どれも、今日からできることばかりです。
高温環境を避ける

屋内では、エアコン等で室温を下げ、直射日光を防ぐ。
外出や運動は、日中の猛暑を避けて、早朝や日没後の涼しい時間帯に。
帽子や日傘で頭や顔、首元を覆い、
首や脇の下といった太い血管の通る場所を冷やすのが効果的だそうです。
クールベストの活用もすすめられていました。
そして、環境省の暑さ指数や「熱中症警戒アラート」を確認する習慣をつけること。
アラートが出た日は、外出や運動をやめる。
夜でも気温や湿度が高い日は油断できない、というのも心に留めておきたいところです。
朝食をしっかり、3食バランスよく

熱中症予防の基本は、やはり食事です。
3食きちんと食べることで、 食べ物に含まれる水分や、
必要な最低限の塩分・栄養素が自然に補えます。
とくに、日中の暑さに備えるための朝食が大切です。
暑いと食欲も落ちますが、 「食べないこと」がいちばんのリスクになるのですね。

お酒はほどほどに、睡眠はたっぷり

お酒は尿の量を増やして、体を脱水の方向へ向かわせます。
暑い場所に出る前後の飲酒は控えましょう。
睡眠不足は、体温や血圧を調節する自律神経のはたらきを低下させます。
汗をかきにくくなり、体に熱がこもって、熱中症になりやすくなるそうです。
夏こそ、しっかり眠ることを大切にしたいですね。
夏は「血圧」だけでなく「体重」も

これは、私にとって新しい発見でした。
炎天下で運動や作業をするときは、その前後で体重を測るとよいそうです。
減った体重と、飲んだ水分の量を記録しておくと、
「かいた汗に対して、水分や塩分が足りているか」の目安になります。

体調が悪いときは、早めに受診を
発熱、食欲がない、吐き気や下痢。
こうした体調不良があるときは、熱中症のリスクが一気に高まります。
無理をせず、早めに医療機関を受診してください。
お薬を飲んでいる方へ
とくに大切だと感じたのが、この部分です。
高血圧の治療で、尿を出やすくするお薬(利尿薬)などを飲んでいる方は、
- 体調が悪いとき、そのままお薬を飲んでよいか
- たくさん汗をかく場合、どれくらい水分や塩分をとればよいか
この2点を、あらかじめかかりつけの先生に相談しておくことがすすめられています。
暑くなってから慌てるのではなく、事前に聞いておく。 これなら、受診のついでにできますね。
まとめ
「減塩と熱中症対策は、両立できない」と思っていた方も多いかもしれません。
でも、2つの熱中症のタイプを知ってしまえば、迷うことはぐっと減ります。
- 3食食べていれば、熱中症予防のために塩分を増やす必要はありません
- 夏でも、高血圧の方は6g未満、一般の方は男性7.5g・女性6.5g未満を
- 日常生活では、水や麦茶でのこまめな水分補給が基本
- 大量に汗をかいたときだけ、水分と一緒に塩分を一時的に補う
- スポーツドリンクは500mLで食塩約0.5g、経口補水液は約1.5g
- お薬を飲んでいる方は、暑くなる前にかかりつけ医へ相談を
暑い日が続きますが、無理をせず、
夏を乗り切っていきましょう♬
参考
日本高血圧学会「減塩しながら酷暑を乗り切る!!熱中症を防ぐ6か条:熱中症予防と高血圧管理の観点から」(2026年6月10日)




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